1年半で寛解したバセドウの話をする
そろそろ春ですね。寒いのが大嫌いな私は、日に日に上がって行く気温にウキウキしています。
春といえば何が思い浮かぶでしょう。健康診断ですね!!!!
実はバセドウ病の私です。
普段は忘れつつ、バセドウ病と付き合ってもうそろそろ3年になるのですが、バセドウ病が見つかったきっかけも学校で行なわれていた健康診断でした。
春になると、健康診断とかで見つかることも多いかと思うので、ここまでの軌跡をメモしておこうと思います。
現在の状況
2015年4月にバセドウと診断される。2018年2月現在、寛解済。
バセドウは完治しない病気なのですが、その代わりに症状が治まったことを表す「寛解」という言葉を使います。
投薬期間は1年くらいだったので、とても早い部類です。(普通は3年〜5年かかることも珍しくない)
とても早い寛解とはなりましたが、通院をしっかりしてよく寝る以外特に何もしてません。
過剰摂取しなければこんぶとか海苔とかも食べていいよ、とのことだったので、割と適当に暮らしていました。
とりあえず知っていてほしいこと
バセドウになって知ったこと。当人にも周りの人にも知っていてほしい。
目玉はそうそう出ない
バセドウというと、目玉が出てくるイメージがある人が多いが、あれが出るのは2割とか3割くらい。むしろ少ない方らしい。
「手の震え」「頻脈」とかがよく出る症状である。
診察の時も、必ず手を開いて静止する様子をみられたり、脈を測られたりする。
放置すると死ぬ
放置して症状が進行した場合「甲状腺クリーゼ」というものを発症したり、頻脈による致死性不整脈で死にます。
薬の自己中断も良くないです。死にます。
酒に弱くなった気がする
そんなに普段酒を飲まないのですが、酒に弱くなった感じがします。
バセドウを発症すると、肝臓の値も悪くなるためです。治療中は基本禁酒です。
暑さに弱いし喉がめちゃくちゃ乾く
病的に代謝が良いので、夏場に溶ける。あっっつい。汗は滝のように出るし、喉が乾く。
1日に4Lくらい水を飲む。普通は2.5Lも飲めば十分なのに、水が追いつかない。
診断を受ける前に、占い師に「龍がついてますね。だから喉が乾くんですよ」とか言われた。
バセドウだったわ。
2014年夏(大学3年生/21歳)
診断される半年前なのですが、おそらくこの時には発症していたように思います。
自転車に乗れない
3ヶ月ぶりくらいに自転車に乗ったら、家から駅まで、片道15分の道がまともに漕げない。
合計15秒くらい走る、ゆる〜い上り坂があるのですが、5秒くらいでめまいが半端ない。酸欠でグラグラ。
当時全然運動していなかったのもあって、「運動不足もここまで来たか…」とスポーツジムを契約する。
25m平泳ぎできない
運動不足解消のつもりで契約したスポーツジム。
筋力不足ならまず水泳かな、と思いプールで泳いだものの、25m平泳ぎできない。10mくらいで、酸欠でグラグラ。
そんな馬鹿な。高校生時代、防衛大学校に行こうか悩んで、遠泳の練習して10kmくらい余裕だった私が、10mだと…?
これはいよいよ駄目だな。ゆるゆるとエアロバイクを漕いでみたものの、やっぱり酸欠だった。
半年契約のスポーツジムには3回しか行けなかった。
運動しないのに痩せている
久々に会った友人が「あれ、なに、なんか痩せた?」とか言ってくる。
全然動いてないのに不思議なものだな…と思いつつ、昔から割と大食らいの細身だったので、特に気にしていなかった。
最近また会ったので聞いてみたら、「痩せたっていうか、やつれてるレベルで細かったよ」と言われた。
バセドウになると代謝が良くなるので、変に細くなりやすいらしい。急な体重変化にも注意。
小さいものが持てない
母校の高校の茶道部OB・OG会に参加したものの、お棗が持てない。
直径6cmくらいの、小さな小物入れのようなものに、抹茶が入っているのだが、それをひっくり返して畳にぶちまける。
バセドウで手が震えていたのだ。
畳の目に入り込む抹茶。おいおい、元部長だぞ私…とゾッとする私。
臨床検査技師の勉強してる同級生が、「バセドウとかだったりしないの? 手、震えてない?」と言ってくる。
「いや〜、目玉出てないし違うでしょ」と軽く流す私。のちに知るが、目玉が飛び出るのは3割未満くらい。
この時期はよく醤油瓶もひっくり返してた。
〜ここからしばらく放置〜
2015年春(大学4年生/21歳)
この年にバセドウであることが発覚します。
階段が登れない
講義がある教室に行くために3階に行こうと思ったら、階段が登れない。
普段はエスカレーターがついてる棟しか行かないので気づかなかったのだが、踊り場ごとに休まないと酸素が足りなくて死にそうになる。
健康診断の心電図で引っかかる
「なんかちょっと脈早いかも? 緊張してる?」と若くて綺麗な女医さんに言われる。
「そういえば自転車乗れないし、泳げないし、階段登れないんですよね」と相談してみたところ、一応心電図取ろうか、という話になった。
結果は見事に「所見あり」。左心房が少しだけ肥大している。
「スポーツしてた?」と検査技師か何かの太ったおばさまに聞かれるも、「いや、引きこもりですね」と答える。
事実、ずっと寝ながらゲームしかしてなかったので、スポーツなんてしてなかった。幼少期から運動は嫌いだ。体育で4以上を取ったことがない。
どうやら、スポーツ心臓というものがあるらしい。心臓がポンプとして頑張りすぎて疲れた時に起きるそうな。
バセドウでも心臓がポンプとして頑張りすぎるので、スポーツ心臓と間違われたらしい。
病院で「バセドウかな」と軽い診断をされる
母(医療事務)が働いている病院で、さらっと血液検査をして、バセドウの診断を受ける。
メルカゾールが2錠出たので、飲んでいたものの、あんまり改善しない。
大学が東京なこともあり、「まあ帰りに寄って来れるでしょ」という母の言葉もあり、表参道の甲状腺専門の病院に行く。
専門病院で「なんだこの治療」と言われつつバセドウが確定する
専門病院の検査はすごかった。エコー、レントゲン、血液検査、なんか他にも色々やりつつ、バセドウであることが確定。
「なんだこの投薬量…」と呆れる専門病院のお医者さん。母が働いている病院の先生は知識不足だったらしい。
「ちゃんと薬飲まないと、死ぬからね。あと、薬飲んでる期間も、高熱が出たら死ぬと思って連絡して」と説明されつつ、メルカゾールが確か4錠とか出た。あとヨウ素玉。名前忘れた。
結構死ぬやん、こわ。と思ったのを覚えている。
投薬を初めて少しの間は、薬が合わずに免疫がドッタンバッタン大騒ぎしたりする可能性が、ほんの少しあるらしい。2週間に1度通院した。
ちなみに毎回採血されるので、最初は泣きそうになっていた注射嫌いの私も、4回目くらいで慣れた。人間って悲しい生き物。
2015年夏〜冬(大学4年生/22歳)
引きこもりつつ治療します。
通院が2週間に1度から1ヶ月に1度、2ヶ月に1度と減って行く
薬の状況を確認して、順調に効いていたため、だんだんと通院回数が減っていく。薬の量も減っていく。
体調もみるみる良くなっていった。自転車乗れる程度には良くなった。
バセドウで悪化していた肝臓の数値も良くなって、酒もちょっと飲めるようになってきた。医者に許可取って、ちょっとだけだよ。
快適ゴロゴロライフを送る
当時大学4年生。順調に単位を取り終わっていたため、週に1回しか授業のない私は、ほぼ毎日寝ていた。
症状は治まっていたものの、夏はバセドウ患者には辛い。医者からも炎天下での行動は避けるように言われていたため、ありがたく寝ていた。
1日の睡眠時間は18時間くらいだったと思う。
2016年春(社会人1年目/22歳)
投薬やめた日は研修中だったので、なんとなく覚えている。
【寛解】5月頭、投薬丸々1年くらいで一旦終わる
数値がめちゃくちゃ良かったので、投薬が終わった。
普通2年とか3年は最低でもかかるところ、1年しかかからなかったので、医者も驚き気味だった。
最初は3ヶ月くらいごとに様子を見ていたものの、それも2回くらいすると半年くらいに1回の通院で許されるようになった。
現在も半年に1回のペースで通院中。次の検診は今月中なので、そろそろ行きたいところ。
今
バセドウにかまけて運動していなかった時の負債で腹の肉がやばい。
平和です。
以上が私のバセドウ体験談でした。
めちゃくちゃ早く寛解しているのですが、大切なのは「無理しない」「休む」ってことだと思います。
社会人とかだとそうもいかないのが苦しいところですが、できるだけ無理せず生活していきたいところです。
せっかく(?)「それなりに珍しく、それなりに発症する」病気なので、検診行ったら結果報告するかもしれません。