梅干しはフルーツの基本的権利を侵害するのか
私は梅干しが好きだ。幼少期の頃から好きだ。
赤くて酸っぱいやつも、蜂蜜の入ったお菓子のようなやつも、スッパイマンも、のし梅も、梅ミンツも好きだ。
というのも、先日から読み始めた本に、次のような文章があった。
おにぎりを食べていると、しばしば愕然とさせられる。なんと、梅干しが入っているのだ。ウメはアンズやモモの仲間、紛れもない果物だ。フルーツを塩漬けにして、ご飯に添えるなど、非常識にも程がある。私が総理大臣になったら果物不可侵条約を可決し、梅干しを禁止、フルーツの基本的権利を守ることを約束する。ついでに酢豚からパインを排除しよう。
これを読んだとき、私だって愕然とした。
「この人どんだけ梅干し嫌いなんだよ」「梅干しに親でも殺されたのかよ」という気持ちもさながら、この本は梅干しの本ではない。また、フルーツの基本的権利に関する本でもない。
鳥類学者についての本なのだ。
この本、延々と冒頭のノリが続く。3段落に1回くらいは妙な比喩とか、変な誇張表現とか、思想誘導が入ってくる。
なんか、文章力が高い(私は語彙力が少ない)。
この一文も好きだ。情景がよく思い浮かぶ。
私は流行に敏感である。いち早く花粉を捉え、誰よりも遅くまでこの身をティッシュボックスに委ねている。毎年春になると、そろそろ製紙業界から感謝状が来るのではないかと、そわそわの日々を過ごしている。
「製紙業界」という広さが良い。メーカーじゃなく、業界全体から表彰されるつもりらしい。どんだけ鼻や目から体液が出てるんだろうか。
私、花粉症じゃないから、よくわかんなあい。
このようにちょっと癖があるので、読む人を選ぶ文調かもしれないが、個人的にはとても好きな本だ。
読みながら「はあ…すき…」となるし、久々に自分の読書スタイルについて見直したりもした。
ちなみに、「文調」を変換しようと思ったら「文鳥」が一番最初に来た。
Kindle Unlimitedを契約してから数ヶ月、紙の読み物を久々に買ったんだけど、めちゃくちゃ面白い。
— 雁ヶ音 (@karigane_h) 2017年11月30日
いま読んでる本が面白すぎて、生まれて初めて自分のつまらなさを心から猛省している。昔からつまんないやつではあったのだが、自分つまんねぇなと猛省している。
— 雁ヶ音 (@karigane_h) 2017年12月1日
こんなに素直に本を読むのが正しいのは久々だなあ。
— 雁ヶ音 (@karigane_h) 2017年12月1日
基本的にいつも読んでる本は、ノンフィクションというか、研究論文的な物と、HowTo本であるからして、私の文章は味気ない。
— 雁ヶ音 (@karigane_h) 2017年12月1日
せっかくブログも書いてるんだし、関係ないけど大学院も行きたいし、関係ないけどできれば会社も辞めたいし、とりあえずなんでも吸収したい。
※ルール違反とは思うが、各引用文についてはどこに書いてあったかを表記していない。特に製紙業界云々については、どういう話の流れで製紙業界に繋がるのか、読みながら探して貰えればと思う。