いろはに要検討

インプット大好きなペンギン4歳

【備忘録】「ヤフオク!」でチケット転売禁止に。なんで転売しちゃいけないの?

葡萄大好きなのに、葡萄を全然食べないままシーズンが過ぎ去りつつある雁ヶ音です。

巨峰とシャインマスカットが好きです。シャインマスカットは食べました。散歩途中の八百屋で購入して、食べながら帰った。美味しかった…。

 

さて、昨日2017/11/08より、ヤフオク!で転売禁止でのチケットの出品が禁止されたとか。


度々Twitterでも騒ぎになりますね、転売チケット。みんな血眼になって通報して、転売ヤーに罵声を浴びせかけています。

でも、「なんで転売しちゃいけないのか」ってみなさん知ってます?

 転売しちゃいけないって言うけどなんで?

よく本垢ことオタクアカウント(ジャンルは刀剣乱舞)にて、「転売ヤー死ね!!全員地獄に落ちろ!!」ってフォロワーさんが叫んでいます。

私はそれを「馬鹿みたいだな~」って思いつつ眺めていました。

私は転売ヤーに対して別に悪い感情がないタイプの人間なのです。2.5次元も、声優のライブも興味ないからな。人間、自分に害のないものに対しては冷たい。

 

さて、そんな私には転売は「需要と供給の問題」にしか思えないんです。需要が50,000人分あるものが2,000人にしか配られないなら、そりゃ価格が上がるでしょうよって感じ。

むしろ、転売ヤーは入手困難なものを努力で補ってるのすげーなという気持ちです。行列に並んだり、電話かけまくったり。

流石にチケット買うのに会員情報捏造するとか、本来想定されてない方法でAPI叩きまくるとかは良くないけど、「Switchを並んで並んで買って、それを10,000円上乗せして売る」とか「壁サーに並んで本を売価で売る」は、感情を抜きにすれば全く問題ないと思っている。

 

結局さっぱりわかんないので、怒り狂ってるフォロワーさんに「転売は何の問題あるの?」って聞いても、「だって他にも行きたい人がいるのに、行くつもりもない人が買って値段を吊り上げるなんて!!」と鼻息荒く答えてくれます。

 

結局ただの感情論か。

それだけが理由なら株だって一緒だよ。株主優待ほしいけど、オリエンタルランドの株なんて買えないよ~。

 

誰に聞いても、ただの「ファンとアーティストの正しい交流はかくあるべき」みたいな理想論か、よくわかってないゆえのもごもごしか返ってこない。

そんなわけで、規制の歴史を調べれば理屈がわかるかと思い、なぜ転売をしては行けないのか自分で調べてみることにしました。

ちなみに、法律には一切明るくないです。一般人の備忘録として読んでください。

チケット転売といったらダフ屋だよね!

まず、チケット転売と言えばダフ屋ですので、ダフ屋行為について考えてみます。

私はコンサートとか全然興味ないタイプのオタクなので、ダフ屋は一度も見たことないのですが、コンサート会場周辺で余ってるチケットを買って売りさばいてる人とかがダフ屋だそうです。

さて、ダフ屋行為を規制しているのは、例えば東京都の場合は「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」の第二条です。以下に文章を引用します。

第二条 何人も、乗車券、急行券、指定券、寝台券その他運送機関を利用し得る権利を証する物又は入場券、観覧券その他公共の娯楽施設を利用し得る権利を証する物(以下「乗車券等」という。)を不特定の者に転売し、又は不特定の者に転売する目的を有する者に交付するため、乗車券等を、道路、公園、広場、駅、空港、ふ頭、興行場その他の公共の場所(乗車券等を公衆に発売する場所を含む。以下「公共の場所」という。)又は汽車、電車、乗合自動車、船舶、航空機その他の公共の乗物(以下「公共の乗物」という。)において、買い、又はうろつき、人につきまとい、人に呼び掛け、ビラその他の文書図画を配り、若しくは公衆の列に加わつて買おうとしてはならない。

このように、ダフ屋行為を目的とした場合は、「普通の列に並んでチケットを買うのもアウト」みたいですね。マジか。

起源は敗戦直後の「物価統制令」

ダフ屋行為の規制は、そもそも戦後に「食糧の物価が上がりすぎないようにコントロールする」ためのものだからだったようです。

 ダフ屋を規制する迷惑防止条例の原型は、日本の敗戦直後期に定められた「物価統制令」という法令である。生きていくために必要な食糧の物価が上がりすぎないようにコントロールする目的があった。

引用:本の「せどり」が合法なのに、なぜチケットのダフ屋は違法なのか | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

なるほど、基本的な食糧に関しては、確かに 買い占められて高値をつけられたりしたら死んでしまいますね。国や自治体が法令で規制するのもわかります。

でも、今回のはチケットじゃん?見なくても聞かなくても死なないじゃん?

ですが迷惑防止条例にはきちんと「入場券、観覧券その他公共の娯楽施設を利用し得る権利を証する物」も含まれています。これは一体。

暴力団の資金源なので規制した歴史も

その答えがこちらです。どうやらダフ屋というのは暴力団の資金源だった歴史があるようです。博徒やテキ屋の仲間なんですね。

本当ならソースを示したいのですが、まともなソースが見つからない…。

東京都で最初に迷惑防止条例が制定されダフ屋行為規制が盛り込まれた1962年当時は暴力団の資金源を絶つ目的の他、ダフ屋によるつきまといや押売りなどの愚連隊による不良行為が問題となっており、その排除が大きな目的の一つに挙げられていた

引用:ダフ屋 - Wikipedia

かろうじて引用できたのがWikipediaでした。

ふむ。暴力団なら規制するべきでしょう。百害あって一利なしですからね。

ネット上でのチケットの高額販売自体は規制されていない

さて、結局なんで「転売をしてはいけない」のでしょうか。

こちらについては、まず、「転売=高額」という考えを捨てて、ふたつの事項に分ける必要があります。

ひとつめは「転売目的での購入」と、「購入したチケットの高額での転売」です。

転売目的での購入は違法!

再度東京都の迷惑防止条例を引用します。

第二条 何人も、乗車券、急行券、指定券、寝台券その他運送機関を利用し得る権利を証する物又は入場券、観覧券その他公共の娯楽施設を利用し得る権利を証する物(以下「乗車券等」という。)を不特定の者に転売し、又は不特定の者に転売する目的を有する者に交付するため、乗車券等を、道路、公園、広場、駅、空港、ふ頭、興行場その他の公共の場所(乗車券等を公衆に発売する場所を含む。以下「公共の場所」という。)又は汽車、電車、乗合自動車、船舶、航空機その他の公共の乗物(以下「公共の乗物」という。)において、買い、又はうろつき、人につきまとい、人に呼び掛け、ビラその他の文書図画を配り、若しくは公衆の列に加わつて買おうとしてはならない。

この通り、「転売する目的のために乗車券などを購入してはならない」ということになっています。

なので、「オークションで転売する」という目的を持ってチケットを購入すること自体は、多分迷惑防止条例に引っかかります。

この条文が本当なら、原価の半分で転売するのが目的だとしても条例違反ですね。

多分誰も迷惑してないけど、迷惑防止条例違反です。

購入したチケットの高額での転売はOKかも

そう、転売目的以外で購入したチケットを高額で転売する事自体は問題なさそう。少なくとも迷惑防止条例の上では。

例えば、友人と行くつもりで買ったチケットだけれど、友人が行けなくなったので、原価の10倍で売ったとしても、それ自体は問題とは捉えられなさそうです。

特にオークションであれば、欲しい人が勝手に値段を吊り上げていくだけなので、原価の10倍だろうが20倍だろうが、正常な経済活動なんだろうなあ。

だからこそ、チケット転売を規制するのは難しいのでしょう。「転売目的じゃないんですう><」って言われたら証明大変そうだし。

警察とか法律家も、奴らを取り締まるのはコスパ悪いんだろうなあ。

 

高額転売が問題ではない証拠になるかどうかは微妙ですが、数ヶ月前にジャニーズのチケットを転売して捕まった事件も、詐欺での立件でした。

「チケットの高額転売での立件」ではなかったんです。「転売ヤーざまああ」って言ってるオタク多かったけど、関係ないぞ。

www.asahi.com

 

今回のヤフオクの規制については、「転売目的でのチケットの販売」を禁止しているのですが、これはつまり「転売目的として購入したチケットの販売」と、「それと見分けをつけづらい著しい高額チケットの販売」を禁止したということなのでしょう。

"転売ヤー"は裁いても、"高額転売"は裁けない!!

これまでの内容をまとめるに、「転売目的での購入」をしている転売ヤーは憎んで裁いてOKなようですが、「購入したチケットの高額での転売」をしている人自体はどうにもできなさそうです。

"転売ヤー"憎んで、"高額転売"憎まず。

 

まあ正直、人間の善意に期待するよか、高額転売を防ぐコスパの良いシステムをチケット販売会社に提案するほうが転売ヤー死ぬと思います。(一番言いたかったこと)

ふう。